生きてる

本屋で何気に目に留まった本です。
この本は「池辺群虫図(ちへんぐんちゅうず)」という絵に、小泉吉宏さんが構成し文章を書かれております。

この絵を描いたのは、江戸時代の中期に活躍したの絵師 伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)という方です。彼の作品に「動植綵絵(どうしょくさいえ)」という30幅にも及ぶ、花や鳥、昆虫や魚等を描いた美しい絵がありまして、「池辺群虫図」はその中の1点です。
チョウ・カエル・トンボ等の虫たちが集う空間には、小さなもの大きなもの、強いもの弱いものが存在し、生と死が繰り返し、また営まれていく。すべてのものに大切ないのちがあり、また皆のいのちを営むために互いに欠かせない存在であることを、この絵で語りたかったのでありましょう。

この絵の中の虫をはじめ花や葉には表情があり、生きているということを感じます。
絹に描かれた不可思議な空間を楽しんでください。

〈解説より抜粋〉

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