親は無条件に愛をそそぐ

当寺には毎年のように愛らしいツバメたちが訪れてくれ、その姿に和まされたり癒されたりします。
今年も顔を見せてくれ、喜ばしいことに10日ぐらい前にカワイイ6羽のヒナがかえりました。見ておりますと親鳥は我が子のために朝6時頃より暗くなる夜7時頃まで一日中えさを探し求め、あちらこちらへ飛び交います。ある統計によると1日300回ほど行ったり来たり巣から飛び立つそうです。またヘビやカラスなどの外敵は来ないか危険はないかなど常に周囲を確認し、遠くからでもいつも見守っています。昼夜問わずそのいのちを守り育てる親の姿に感動せずにはいられません。

さて、お念仏慶ぶ先人たちは阿弥陀さまのことを「親さま、親さま」と呼んでまいりました。親という漢字は「木の上に立って見ているもの」という構成です。これは「いつも目を離さないもの、たとえ離れていても心はいつも子どもの方を向いているもの」ということでもあります。
子どもはすぐに親から目を離しますが、親は子どもから目を離すことはありません。いや離せない、心配でほっとけないのです。

実は阿弥陀さまという仏さまもそういう方です。いつも私を案じ、私を見つめ、いつも私に寄り添ってくださいます。『どんなことがあろうとも、そばにいるよ、嬉しいときも悲しい時も、病める時も健やかなる時も、いついかなる時も一緒ですよ』と 私の存在を丸ごと受けとめ、慈しみ育ててくださいます。
そういうことからして、阿弥陀さまを「真実の親」と呼ばせていただくのでありましょう。

ツバメの姿を見ながら、心安らぐ初夏のひとときです。

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