【愚の力】

本願寺ご門主のご著作『愚の力』が文春新書(文藝春秋刊)から発行されました。
「末法の世に生きる現代人よ、愚者になれ」と銘打たれた本書は、現代の課題を次々と明らかにして、「人間中心の考え方」に警鐘を鳴らしながら、具体的にこの時代をどう生きたらいいのかを明らかにされています。

10月20日から全国の書店で発売されていますが、ご門主のご著作が一般書店から刊行されるのは『朝には紅顔ありて』(角川書店、2003年)、『世のなか 安穏なれ』(中央公論新社、07年)に続いて3冊目。

本書は6章から構成されており、「いま私たちは歴史の大きな転換期にたって、個人の生活でも、社会的にもさまざまな問題を抱え不安のなかにいる(はじめに=要旨)」として、1980年にご門主が発表された「教書」のこころをもとに、
1章「不安の時代を生きる」、
2章「私はいただきもの」、
3章「人間は死ぬものだ」で、世界的経済危機、格差社会など社会問題から「直葬」などの状況も踏まえて「一切衆生」をキーワードに浄土真宗に触れられ、
4章「親鸞聖人の生き方」では、聖人のご生涯をたどりながらご結婚、流罪、義絶などご門主のご見解を述べられ、
5章「末通らぬ者として」、
6章「愚者になる」では、具体例を示しながら「まず、自分の愚かさを認めることからはじめないと、現代社会において一切衆生は容易には恢復されません。人間中心であればあるほど私という人間を失っていくのです」と述べられています。

終章には「ダライ・ラマ14世との対話」があり、そこでは真宗理解や平和・科学と仏教、宗教者間の協力、霊魂についてなど突っ込んだ対話があり、必読の書であるといえます。
(本願寺新報2009年(平成21)年10月20日号より抜粋)

【好評発売中】 新書判224ページ 819円 。

本願寺出版社(フリーダイヤル0120-464-583)や本願寺ブックセンターでもどうぞ。

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