あるおばあちゃんの13回忌のおつとめをして、お斎(食事)をいただいていた時のことです。普段は顔を合わすことの少ない従兄弟(いとこ)達に会って興奮したのでしょうか、小さなお孫さんが はしゃいでいました。そして、楽しそうに『お誕生日会みたいだ』とつぶやいたのです。お父さんは『そうだね』と言ってその子を抱きしめ、お仏壇の脇に置かれた自分の母親の写真をじっと見つめていました。
お念仏をいただくひとは、この世の縁の尽きるとき、お浄土へ生まれ仏さまとならせていただきます。ご命日は、亡き人がお浄土に生まれた日、仏さまとなられた誕生日なのです。大切な人を亡くした悲しみは、決して消えることはないでしょう。ですが、お浄土で仏となられた方は、いろいろなご縁をとおして私たちを仏前に誘ってくださいます。
それまで手を合わせたり、お念仏を称えることがなかった人も、ご法事をとおしてはじめて仏さまに思いを向けるきっかけになるかもしれません。
亡き人のご法事、仏さまとなられた誕生日に、ご縁のあった人と相集い、ともに手を合わせ、お念仏申しましょう。
本願寺 仏事奨励リーフレット
ご法事は誕生日
