ただ今マラソンや駅伝の季節。毎週のように土日いずれかにテレビ中継があります。
実況中継をしているアナウンサーの言葉を聞いていると、必ずと言っていいほど『さあ、○○選手ここが正念場です』とコメントします。昨年は東京オリンピック2020年開催が決定しましたが、あの時も『オリンピック招致委員会はここが正念場だ』等とよく耳にしました。
歌舞伎でも主人公がその役の本領を発揮する最も重要な場面をさします。「性根場」ともいわれて、演ずる人がもっとも心を込め念を入れて演ずべき場面をこう呼ぶようになったそうです。
この言葉ももともとは仏教語!
本来 正念とはお釈迦さまが説かれた仏教の実践方法である「八正道」の一つで、正念とは正しい専念集中の意味で、邪念や雑念を離れて仏を念ずることをいいます。親鸞聖人がお書きになった【末燈鈔(まっとうしょう)】の中には「正念といふは本弘誓願に信楽定まるをいふなり」とあります。すなわち、本願を疑いなく信ずる心が定まったことを正念といっています。