『あなかしこ あなかしこ』ということばで締めくくられる【御文章】
これは本願寺八代 蓮如上人が当時多くの方に宛てられたお手紙で、「白骨の章」とか「聖人一流の章」など全部で八十通あります。
蓮如上人はこの手紙を通して、阿弥陀仏の本願を私たちに伝えて下さっています。
今回は「末代無智の章」を現代風に味わって見ていきましょう。
《原文》
末代無智の在家止住の男女たらんともがらは、こころをひとつにして阿弥陀仏をふかくたのみまいらせて、さらに余のかたへこころをふらず、一心一向に仏たすけたまへと申さん衆生をば、たとい罪業は深重なりといえども、かならず弥陀如来はすくいましますべし。これすなわち第十八の念仏往生の誓願のこころなり。かくのごとく決定してのうえには、ねてもさめても、いのちのあらんかぎりは 称名念仏すべきものなり。
あなかしこ あなかしこ
《現代文》
末代といわれる今の世の中に生きる私たちが、真実の人生を歩むためには、
思い惑うことなく、阿弥陀仏の本願を心にかけて、そのほかの道には目をそらさず、
ひたむきにお念仏をよりどころとして生きるよりほかに道はありません。
たとえ罪業の深さに苦しむことがあろうとも、かならず何ものにも妨げられない道が
開かれてきます。それが阿弥陀仏の本願の中で誓われているおこころであります。
そのおこころをを深くいただいたうえには、ねてもさめても いのちあるかぎり
お念仏申し、報謝の生活をさせていただきましょう。