以前紹介しました「いのちのまつり」シリーズ第3作目、今回は「おかげさま」です。
普段何気なく挨拶で使うこの言葉ですが、この深い意味合いを常にいただいているのか・・・? を 私に問うてくれます。
絵本の中で主人公のゆうちゃんは大好きなおじいちゃんに聞きます。『おかげさま』って誰…? 面白いですよね、○○さまってつきますから誰か人だと考えたのでしょう。
そうすると おじいちゃんは答えます。
『ほおぉ、おかげさまかい。それは誰でもない、 生かされていることへの感謝の言葉じゃよ・・・・・・
ゆうちゃんもわしも、みんなみんな、同じいのちで生かされておるのじゃ』と。
同じいのちとは真宗的にいえば、“無量壽のいのち”ともいただくことができるのではないかと思います。
私達は魚や野菜などのいのちをいただきながら、いや うばいながら生かされ、また水・空気など大自然の恩恵を賜りながら生かされているのは言うまでもありませんが、
もっと深いところ 根底のところで この私のいのちを支えてくれる‘はたらき’がある。
私が私として不思議に存在している、私が私たらしめられている‘はたらき’
これこそが“無量壽のはたらき・いのち”であると言えましょう。
大いなるいのちに 支えられ 育てられ 生かされている 私達であります。
作者の草場一壽(くさばかずひさ)さんは こうおっしゃています。
時空を超えてつながっている「いのち」は目には見えません。
それを支えてくれている「おかげさま」も目には見えません。
見えないものを感じる力を育まなければ、
なぜ「いのち」が大切なのかも感じられないと思うのです。 と
おかげさまの心、子どもたちにも伝えたいものです。