9月5日はここ鹿児島にとって特別な日です。毎年本願寺鹿児島別院にてさつま開教記念法要をお勤めしますが、この度【さつま開教140周年記念法要】が勤修されました。
浄土真宗のみ教えが鹿児島に伝えられたのは西暦1500年頃といわれますが、薩摩藩は室町時代末期から約300年もの長き間、浄土真宗を禁止しました。浄土真宗の信者であると発覚すれば厳しく惨い拷問などが待ち受けているに限らず、私たち先祖は時にはガマ(洞窟)に隠れるなどして、いのちがけでお念仏のみ教えを守り抜きました。これが「かくれ念仏」です。権力にも屈せず、繰り返される弾圧にもめげずに念仏者として生き方を貫かれたのは、念仏のみ教えの中にまこと(真実)を見出されたからでしょう。
その後「信教自由の令」が発布されたのが明治9年9月5日。それから数えて、今年が140年の年になります。禁制の時代から開教時、今日に至るまでの歴史の中で念仏を守り法灯を受け継ぎながら生きてくださった先達の僧侶や門徒方に頭が下がるばかりです。そんな歴史に、人に思いをはせ、お念仏が伝わっていることに感謝と責任を感じながら法要にお参りさせていただいたことでした。
法要後は私共 鹿児島教区雅友会による「雅楽コンサート」がありました。古典の曲やピアノと合わせた酒胡子幻想曲、またハープ奏者の矢野奈帆子さんとコラボレーションをしました。矢野さんは県内有数のハーピストで本名出張所の坊守さま、越天楽幻想曲や童謡なども演奏し、多くの皆様に喜んでいただきました。予定曲が全て終わり、退場しようとすると、まさかのアンコールコールをいただき、司会進行をしていた私がアタフタする場面もありましたが(笑)最後に急きょ抜頭という曲で締めました。
次の記念法要は10年後の150年ですが、毎年9月5日に鹿児島別院にて法要がお勤まりになりますので、どなたでもお参りください。