おとうさんは だいくさん

正心保育園には毎月2回ほど曽於市の移動図書館の“さんぺい号”というバスが来てくれ、本の貸し出しをします。ある日、娘が借りてきた本に「おとうさんは だいくさん」平田昌広 作という本がありました。

日曜日にゴロゴロしているお父さんに、息子が日曜大工で何か作ってくれと頼みます。しかしお父さんは、自分は本物の大工だから日曜日はゆっくり休むんだ(笑)と答えますが、それでも息子が頼み込み、ある時お父さんは自分が建築中の家の現場に連れて行きます。

息子はお父さんの仕事に感心し、お父さんにこう尋ねます。『僕が学校の工作で何か作ったら名前を書くんだけれど、お父さんは家ができあがったら家に名前を書くの?』と。 するとお父さんは『この家は確かにお父さんが造っているのだけど、お父さんひとりの力ではなく、基礎のセメント工事をする人や、壁紙を張る人、水道屋さんから電気屋さんまで、いろんな人がいるからできるんだ』と。 確かに、さまざまな職種の方々の力で成り立っていますね。一人の力ではない皆の力、おかげさまの世界です。

私の知人にも大工さんが数人おられまして、私も好きでたまにお手伝いをさせていただきますが、一緒に仕事をしていると、職人さんの仕事ぶりにはいつも感心、ときには感動すらいたします。細やかで力強くてとても魅力的な仕事だと思います。
そんな大工の仕事を、この絵本のお父さんは息子に『お父さんはすごいだろう』と自慢するのではなく、「みんなのおかげで」と言うところがかっこいい、シビれますね。

おとうさん、おかあさん はたらくシリーズの1冊です。

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