世の中にはいろいろな旗がありまして、国の旗は国旗、学校の旗は校旗、お寺にも仏旗(ぶっき)というカラフルな旗が存在します。
この旗は六金色(ろっこんじき)の旗といって、六色とは「青・黄・赤・白・玻璃・瑪瑙」からなります。
青・黄・赤・白は皆さんお分かり、瑪瑙(めのう)は赤褐色で、玻璃(はり)というのは水晶のことで無色透明につき他の色をよく写し出します。したがって他の色を合わせた色ということになります。いずれも光り輝く色ということで六金色といいます。
それでは何故に六色なのか? ということですが、これは六道にちなんでおります。
六道とは「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天」六つの迷いの世界。
「涅槃経(ねはんぎょう)」というお経に、お釈迦さまが亡くなられた時、お顔から六色の光を放たれたことが記されてありますが、これは六道の迷いの世界で悩み苦しんでいるもの達を照らしたということです。そして、その光を受けたものは苦しみや迷いから救われる、これはまさしく、全てのものを救おうという仏さまのお慈悲の心をあらわしているといえるわけです。
なお、お釈迦さまはお生まれになってすぐさま七歩 歩まれたと伝えられておりますが、これは迷いの世界を一歩超えたことを示しておられます。
この仏旗をデザインしたのは、アメリカのオルコットさんという方。彼は陸軍の兵隊でしたが、スリランカに渡って仏教信者になり涅槃経を研究してこの旗をデザインしたしたそうです。
この仏旗は世界仏教共通の旗で、宗派に限らず仏教行事の時はこの旗を掲揚いたします。