鹿児島は昔から台風銀座と呼ばれる程、台風がよく通過するところです。先月も台風がこの地域を通過するということで、前日から戸締まりをしたり物を片付けたりと事前の準備をしておりました。やはり一番心配なのが本堂です。屋根も高いですし建物が大きい故に風が当たる範囲も広くなります。台風が迫ってきた時必ずやることに、本堂の雨戸を閉めることがあるんですが、この雨戸が戸車もついておらず古くて重くて開閉がまあ大変なんです。「ガタガタ」「ガガー」と凄い音を立てながら引き出します。
そういえば、戸や障子などの建て付けが悪いことを「ガタピシ」といいます。また組織の運営が悪く、本来の働きが鈍ったりして思うようにならない時に『もう、あの組織(会社)ガタガタだよ』と言ってみたり、体が不調な時にも『俺の体にもガタが来た』などというような表現をします。
このような「ガタピシ」や「ガタガタ」などという言葉は、元来 擬音語として思われますが、漢字を当てると「我他彼此」「我他我他」などとなり、仏教用語の一つなんですね。自分と他人、これとあれというふうに物事を対立してとらえることで、そこからさまざまな衝突や摩擦が生まれて来るなんてこと、振り返ってみればよくありますね。 仏教ではすべての存在や出来事を、「お互いに相依り相助けて成る」因縁の不思議を説きます。すなわち我と他、これとあれではなく、何もかも皆それぞれの縁によって、またその縁にしたがいながら成り立っているというんです。確かに、俺は俺、お前はお前という勝手気ままなスタンスでは喧嘩になるだけです。お互いに思いやり相互関係を重視したら円滑にまわる世の中に成っていくこと間違いなし。そうすれば、世界各地における戦争も無くなっていくかもしれません。
まずは身近なところから・・・家庭において会社において、人間関係や組織のあり方など、見直していきたいものです。