1月10日 京都ご本山の御正忌報恩講に奏楽員として出勤させていただきました。昨年の御正当は結衆で出勤、今年は雅楽の奏楽員としての出勤でありました。
この日の京都は大変寒く、昼前には小雪もちらちら降るほどでしたが、ご本山の門をくぐり白州境内を歩くとさすがに背筋がピンと伸び気合いが入りますが、控え室に入ると1年ぶりに再会する仲間の顔も見え、身も心もあたたかくなりました。
私は20代前半にご本山の【勤式指導所】というお経と雅楽を専門的に習得するところに所属しておりまして、その時の同期のメンバーで結成された会を音聲会(おんじょうかい)といいます。約30数名程所属しておりますが、今年はその中の10名の出勤でした。また会メンバーの中には知堂という本願寺の法要を司る役目を担う方も数名おり、法要を皆でお勤めできたことを大変嬉しく感じました。
まずは御影堂の後ろ堂から左余間に着座して待機、御真影(親鸞聖人)さまのお姿を横から拝顔させていただくと、じわじわと感動が涌き起こり、これから始まる法要が待ちきれないほど。換鐘(法要開始の合図)の音が御堂に鳴り響き、外陣へと移動。お勤めは「奉讚大師作法」で楽目は双調(そうじょう)の「入破(じゅは)」と「酒胡子(しゅこし)」でした。結衆・列衆・讃嘆衆奏楽員あわせて100名を有に超える僧侶方で勤める正信偈は圧巻で、頭のてっぺんから足のつま先まで体いっぱいで拝読させていただきますと、さらに歓喜が泉のように涌き起こる、そんな感覚を得ました。経文や正信偈の一句一句に包まれる感覚、その慶びはこの体に留まることなく、気づくと『南無阿弥陀仏、ナンマンダブ・・・』お念仏となって私の口からこぼれてくださいました。まさしく歓喜のお念仏でありました。
楽しく有り難いひと時はあっという間に過ぎ去りましたが、まずは御正忌報恩講に参らせていただいたこと、ご勝縁に遇わせていただいたことを嬉しく思います。 音聲会の皆さん、来年もまた会いましょう!