東日本大震災 今年の3月で7七回忌を迎えます。本願寺派では1ヶ月前の2月11日に宮城県仙台市で七回忌法要を第二十五代御門主さまをお迎えして勤修いたしました。門信徒や僧侶約900人が参集し、亡き人を偲びながら追悼のお勤めが行われました。法要の中で御門主さまは、『被災した悲しみや苦しみは時間がたっても変わることはないでしょう。不思議な縁の積み重ねで今の私たちが存在する。縁は別れがあっても消えることはない』とお言葉を述べられました。
さて、鹿児島教区雅友会では、震災後毎年東北へボランティアに行きますが、今年も七回忌に合わせて数日前に出発しました。まずは仙台市の中集会所にて雅楽演奏会と被災者との交流会を開催。震災後仮設住宅に入り、そこから災害復興住宅へと移り住んでこられた方がいらっしゃる地区の集会所でした。演奏会の中で、雅楽演奏だけでなく、途中に「空手の型」を披露したり、「カエルの体操」をしたりと、和やかな雰囲気でした。
茶話会では鹿児島からお菓子とお茶を持っていき、被災された方々といろんな話をさせていただきましたが、ある一人の80代のおばあちゃんがこんなことを私に話してくださいました。
『こうして仮設住宅からこの住宅に引っ越してきたけど、知人は居ないし特に朝からすることがない。家族がいる人はいいけど、私は独り身だから、寂しくて仕方がない。あの時、私も死ねばよかったのかもしれない。でもね、でもね・・・』と。
こんな風に考えておられる方も少なくはないのかもしれません。土地が整備され、住宅等が建ち、復興へ向けて進んでいるのですが、やはり心のケア、心身の支援はそれら以上に大切であることを実感したことでした。
次の日は岩手の中尊寺へお参りの後、南三陸町の方へ向かい、その後石巻市に到着。児童74名 教職員10名が亡くなった大川小学校に行きました。当時のままの校舎が現存しており、津波の激しさを痛感するばかり。学校の敷地には慰霊碑が建てられており、その時も次々と線香をあげ手を合わす方々がいらっしゃいました。
その後寺院等を見学、本堂や墓など復旧工事は進んではいるのですが、まだまだ以前のように戻るまでには時間がかかるような気がいたしました。
どこを見ても、いや見れば見るほど、厳しい現実に直面します。言葉がでない絶句してしまう状況が多々ありました。それでも前を向いて生きていくしかないと踏ん張っている方に頭が下がるばかりです。
震災後、七回忌を迎える今、何を感じ、何を学んでいくのか? でも大切なのは、あの震災を忘れてはならない、そして、人に寄り添うということなのかもしれません。
東北は今。