この度は正心保育園の保育士である栫井 優先生に「まことの保育にであって」というテーマで原稿を依頼いたしました。先生が子ども達との日々の保育を通して、何を感じ何を学んだのかということが伝わってきます。 どうぞお読みください。
『かけがえのないであい』 栫井 優
私がこの【まことの保育】に携わってから約五年が経とうとしています。正心保育園で勤める前、お寺の保育園ということは分かっていましたが、他の保育園と色々な面でそう変わらないのではないかと思っていました。しかし、しばらくしてお寺の保育園での子ども達との関わりの奥深さに気付かされ戸惑うことも度々ありました。そうして戸惑いながらのスタートでしたが、数ヶ月を過ごす中でだんだんと理解できるようになり、今思うと これまで当たり前と考え過ごしてきた日々や行ってきたことを恥ずかしくも思うようになりました。
私が学ぶことができたのは、研修等に行かせていただいたこともそうですが、毎日子ども達と関わる中で、子どもから教わることが多かったです。日々の保育の中で、子ども達が人間も虫などの生き物も同じいのちとみる視点・まなざしで触れたりする姿がありました。鳥を見つけては『おーい』と声を掛け、小さな虫を見つけては『どこ行くの?』と話し掛けるその姿に、すべてのものは平等でかけがえのない一つの?いのち?をいただいて生きているということに気付かせてもらいました。
食前・食後の言葉からも、たくさんのいのちをいただき生かされているということ、そのいのちを育んでくださる多くの方達への感謝の気持ちをもって食べ物をいただくということを学びました。
そして何より、仏参で子ども達が小さな手を合わせ『ナモアミダブツ・・・』とお念仏申す姿に、目には見えないものの働きや阿弥陀さまに感謝するということを学びました。
仏参では毎月の月目標に基づいて法話をさせていただいています。勤務して最初の頃は何を話したらよいのだろうかと戸惑いましたが、学べば学ぶほど仏さまの教えの奥深さを感じ、もっと知りたいという気持ちの方が強くなり、子ども達に話しをしなければ という気持ちから学んでいましたが、自分自身が学ばせてもらっているという気持ちに変わってきました。
私は、この【まことの保育】に携わるようになってから、当たり前のことですが改めて大切にしていることがあります。それは「すみません」と反省する心、「ありがとう」「おかげさま」と感謝をする心、そして思いやりの心です。
この【まことの保育】との出会いは、私にとってかけがえのないであいとなりました。これからも、保育士として、子ども一人ひとりの色を輝かせられるよう、共に成長させていただきながら保育に努めていきたいと思います。